茶道具という、
用の美を備えた芸術。

茶事においては、茶道具をじっくり鑑賞する時間が設けられます。
茶入や茶盌は手にとって手触りや重みを感じ、花入や水指はその姿を間近で眺めるのです。
その日のために、季節や時勢を踏まえながら亭主が用意した茶道具には、ひとつひとつに物語が込められており、主客の語らいを深める重要な役割を果たします。
高取焼 味楽窯は、こうした場にふさわしく、主客が思いをひとつに道具の味わいを賞玩できるような作品を手掛けております。

茶入

茶道具の最上位とされ、名物記においても常に主役となるのが茶入です。
正式な茶事では、懐石を供したのちに休憩を入れ、後座での濃茶で会の最高潮を迎えます。茶入はこの「濃茶」を容れるための器となります。

  • 高取肩衝茶入(黄釉に黒流し)
    十五代 味楽作

    高取焼の代名詞ともいえる肩衝茶入。生地の厚み1.5mmという伝統を守りながら十五代らしい工夫を加えた釉薬の流れが、犀利な印象。

  • 高取瓢形耳付茶入(金華紋釉)
    十五代 味楽作

    十三代味楽から三代にわたって研究を重ね、完成した金華紋釉薬。伝統釉薬の黄釉を活かした究極の「綺麗さび」が体現されている。耳の繊細な造りも見どころ。

  • 高取肩衝茶入(黄釉に白流し)
    十五代 味楽作

    八の字に広がった釉薬と潔い土見せは、天下三名槍のひとつとされる黒田藩ゆかりの銘品「日本号」に着想を得て十五代が生みだした、挑戦心溢れる逸品。

茶盌

茶道具の主役は、やはり茶盌です。
日本では唐物や高麗茶碗を写した器が流行した後、戦国武将の精神を反映した国焼茶盌が生まれました。こうした日本の伝統を汲む高取焼の姿や釉薬の景色、そして薄造りだからこその軽やかな手取りをお愉しみください。

  • 高取金華紋釉茶盌(金華紋釉)
    十五代 味楽作

    黄釉の窯変を活かした天目型の茶盌。武家の「わび・さび」に王朝のきらびやかさを融合し、遠州好みの「綺麗さび」に。金華紋釉は高取焼でも味楽窯だけの新釉薬。

  • 高取七宝透茶盌(黄釉に黒流し)
    十五代 味楽作

    磁器に多い繊細な透かし彫りを陶器で叶える、薄造りの高取焼独自の技法。手取りに配慮し、二重構造でありながら一般的な茶盌と並ぶ重量に仕上げられている。

  • 高取極光釉鎬手茶盌(黄釉・白釉・黒釉)
    亀井久彰作

    伝統釉を用いながら高取の新しい可能性を探求して創出された「極光釉」が深遠な久彰氏の代表作。鎬が生む青のグラデーションが夜空のオーロラ(極光)を想起させる。

水指

水入れである「水指」は、点前の間ずっと茶席にあって存在感を放ち、喫客の注目を集めます。薄造りを特徴とする高取焼の水指は、水を入れても過剰に重くならないのが利点です。

  • 高取黄釉管耳水指(黄釉に黒流し)
    十五代 味楽作

    小堀遠州好みの管耳を施した、高取焼の基本型とされる水指。精緻を極める味楽窯らしく管耳の中は貫通している。針のように一筋細く走る釉は十五代だけの特徴。

  • 古高取写水指(銅化釉)
    十五代 味楽作

    内ケ磯(古高取)時代の作風を現代に写した水指。織部風の歪みと、そこに宿る思想を受け継ぎながら、土は薄さを極めてモダンに、厚い釉で豊かな景色を表現。古高取写水指(銅化釉)十五代 味楽作

  • 高取彩釉水指(白釉・黄釉・黒釉)
    亀井久彰作

    二釉を基本とする高取の伝統を、あえて三釉で刷新して「彩釉」と命名した久彰氏の新機軸。柄杓で掛け分け、筆塗りで緻密に流した釉の景色が新鮮な印象。

花入

静謐な茶室で唯一、いのちの移ろいや風情を感じさせるのが茶花です。
千利休が「花は野にあるように」と説いたように、自然な花姿を活かす「投げ入れ」が基本。高取焼の花入は、銅化・黄・緑青・黒などの天然釉の味わいが花本来の美を引き立てます。

  • 高取黄釉瓢形花入(黄釉に黒流し)
    十五代 味楽作

    ひさご(瓢箪)型でありながら、上部は肩衝の形をした、遊び心溢れる作品。型の制約が多い茶道具に「へうげ」た面白みを加えるところに、遠州の精神が垣間見える。

  • 高取白釉七宝透管耳花入(白釉に黒流し)
    十五代 味楽作

    西皿山および東皿山時代から始まったとされ、高取焼の他家ではあまり見られない七宝透の伝統技法を施した、瀟洒な造りの雅やかな花入。

  • 高取白釉耳付花入(白釉)
    亀井久彰作

    鉄分を加えた土に白釉を掛けて青く発色させた久彰氏考案の技法。西洋陶器を意識して僅かに外へ曲げた笹耳など、伝統に新風を吹き込む和洋混交スタイルが特徴的。

菓子器

他の茶道具や菓子の色・形との調和、季節などによって取り合わせを考えたい菓子器。高取焼では流派それぞれの好みに合わせた形でおつくりしていますが、意匠に凝りすぎることなく、雅趣の中にも気品を感じさせる器を基本としております。

  • 高取七宝透菓子器(白釉・黄釉の掛分け)
    十五代 味楽作作

    遠州好みの掛分けを施した菓子器。手取りの重量を考えた高取焼らしい究極の薄造りによって、木瓜の花のような柔和な曲線をも可能にしている。

  • 高取七宝透手付菓子器 (白釉・飴釉の掛分け)
    十五代 味楽作

    裏千家好みに手付を施して。千家並びに各茶家の茶道具の約束事を踏まえ、全流派からの用命に対応できるだけの高度な技を有する味楽窯らしい菓子器。

  • 高取極光釉菓子器(白釉、黒釉)
    亀井久彰作

    他の茶道具としっくりと馴染んで取り合わせやすい朴直なフォルムに、独自の極光釉でオーロラのフレアのような景色を表し、静かな個性を浮かび上がらせた作品。