作品に宿る伝統
茶陶芸術
茶道具という、
用の美を備えた芸術。
茶事においては、茶道具をじっくり鑑賞する時間が設けられます。
茶入や茶盌は手にとって手触りや重みを感じ、花入や水指はその姿を間近で眺めるのです。
その日のために、季節や時勢を踏まえながら亭主が用意した茶道具には、ひとつひとつに物語が込められており、主客の語らいを深める重要な役割を果たします。
高取焼 味楽窯は、こうした場にふさわしく、主客が思いをひとつに道具の味わいを賞玩できるような作品を手掛けております。
茶入
茶道具の最上位とされ、名物記においても常に主役となるのが茶入です。
正式な茶事では、懐石を供したのちに休憩を入れ、後座での濃茶で会の最高潮を迎えます。茶入はこの「濃茶」を容れるための器となります。
茶盌
茶道具の主役は、やはり茶盌です。
日本では唐物や高麗茶碗を写した器が流行した後、戦国武将の精神を反映した国焼茶盌が生まれました。こうした日本の伝統を汲む高取焼の姿や釉薬の景色、そして薄造りだからこその軽やかな手取りをお愉しみください。
水指
水入れである「水指」は、点前の間ずっと茶席にあって存在感を放ち、喫客の注目を集めます。薄造りを特徴とする高取焼の水指は、水を入れても過剰に重くならないのが利点です。
花入
静謐な茶室で唯一、いのちの移ろいや風情を感じさせるのが茶花です。
千利休が「花は野にあるように」と説いたように、自然な花姿を活かす「投げ入れ」が基本。高取焼の花入は、銅化・黄・緑青・黒などの天然釉の味わいが花本来の美を引き立てます。
菓子器
他の茶道具や菓子の色・形との調和、季節などによって取り合わせを考えたい菓子器。高取焼では流派それぞれの好みに合わせた形でおつくりしていますが、意匠に凝りすぎることなく、雅趣の中にも気品を感じさせる器を基本としております。